■満腹ポイントと限界ポイント
本物の食欲とにせものの食欲を大体見分けられるようになったとして、次に問題になるのが、本物の食欲にしたがって、しっかりと食べて、うまく食べ終われるのか?ということと、にせものの食欲をどうやってうまくやり過ごすのか?という2つの問題でしょう。
まず、「本物の食欲にしたがって、しっかりと食べて、うまく食べ終わる。」ということについて解説します。
ここで質問です。
「おなかがいっぱい」とはどういう状態を意味すると思いますか?実は、この「おなかがいっぱい」というのが非常にやっかいなものでした。
太っている人とダイエットをしないでやせている人(以降、スリム体質の人)とでは、「おなかがいっぱい」という状態がまったく別物だったのです。どういうことかというと、満腹ポイントと限界ポイントがあるということがわかりました。
満腹ポイントとは、胃はまだ余裕があるけれど、血糖値なども上がって、かなりの満腹感を感じるというポイントです。
限界ポイントとは、もうこれ以上胃に入らない、これ以上食べるのは苦しいと感じる限界のポイントのことなのです。
太っている人は限界ポイントまで食べてしまい、スリム体質の人は満腹ポイントで十分満足して食べ終わっていたのです。
どちらも「おなかがいっぱい」=「満腹の状態」なのです。おなかがいっぱい(満腹)とはひとつしかないわけではなかったのです。
よりわかりやすくするために、ここで水筒、ポットの例をあげてみます。水筒、ポットの満タンとはどこになるかわかりますか?内側に満タンの線があるから、簡単だろ、とはなりませんよね。その満タンの線も満タンだし、こぼれる限界のポイントはまだそれよりだいぶ上で、それも満タンです。
実生活では、「満タンの線は名目上の満タンで、目安にすぎない。このあたりまでは大丈夫だ。」と考えて、限界のところまでを満タンととらえている人の方が多いのではないでしょうか。
満タンの線が満腹ポイント、こぼれる限界が限界ポイントと考えるとわかりやすいと思います。このように満腹、満タンというのが1つではないというのをまず理解して下さい。
次に、満タンがこぼれる限界の8割、9割であれば、どちらが満タンでもそれほど問題にはなりません。
ところが、満タンの線よりも2倍入れても、3倍入れても、こぼれないとなると、どちらを満タンとするかは、大きな違いとなってしまいます。
満腹ポイントで満足して食べ終わっていれば、何も問題はありません。しかし、限界ポイントまで食べるのを習慣にしてしまっていると、胃は筋肉と粘膜でできているので、徐々に延びて大きくなっていき、どんどん限界が広がっていってしまうのです。
食べる量のイメージとしては、空腹状態から満腹ポイントまでが1とすると、満腹ポイントから限界ポイントまでが2で、トータル3となってしまうというような感じになります。
おなかいっぱい食べていいけれど、限界ポイントまでは食べずに、満腹ポイントで満足して食べ終わるようにしましょうということです。
限界ポイントの満腹感というのは、苦しいほどの圧倒的な満腹感です。これを通常の満腹感ととらえるようになってしまうと、満腹ポイントでおとずれる本来の満腹感は弱くて物足りないと感じてしまうようになり、限界ポイントまで食べるのが習慣となってしまうのです。
限界ポイントで感じる圧倒的な満腹感というのは、通常の満腹感ではなく、「これ以上は絶対に食べるな!」という強い警告信号なのです。
■空腹感のレベルを知る方法
空腹感のレベルを数字で表すとわかりやすくなります。空腹感のレベル0は満腹の状態で、空腹感のレベル10は強烈な空腹感を感じている状態を表します。
また、満腹感のレベルも同様に、満腹レベル0は完全な空腹状態、満腹レベル10とは完全な満腹の状態を示します。
空腹レベル0のときは満腹レベルは10となり、空腹レベルが10のときは満腹レベルは0となります。
このレベルのチェックをするのに、白いごはんを食べるのを想像するというのが、うまく使えます。空腹レベルが0あたりのときは、白いごはんを食べるのを想像しても、まったく食べたいと感じません。少し食べたいかもと感じてくると5を越えたくらいになります。
これが空腹レベル9〜10となると、白いごはんを食べたくて仕方がなくなります。実際に食べてみると、甘くて深い味わいが感じられて、感動するほどおいしいのです。
おかずもつけもの類もまったくなくてもおいしく食べることができるのです。でも、食事制限ダイエットをしていなければ、ここまでの空腹感を感じるのは、1 日のなかでも1 回か多くても2回まででしょう。
間食をとったりしていると、ここまでの空腹感を感じることはほとんどないかもしれません。本物の空腹感を感じて食べ始めると、食べ物がとてもおいしく感じられます。感動するほどおいしいと感じる人も多いようです。そして、1 口食べるごとに、確実に満腹感のレベルが上がってくるのを感じます。
本来、人間の胃の大きさは、大体その人のにぎりこぶし大くらいとされています。それくらいの量まではとてもおいしく食べられるのですが、それ以上食べ進めると、おいしさのレベルがはっきりと落ちてきます。だからこそ、空腹感に忠実にしたがって食べている人は、量よりも質にこだわりたくなってしまうのです。
■次回は満腹感をはっきりと感じる方法です